古書ノーボのブログ

本や店の話。

吸血鬼小説

いま店ではハロウィンという理由付けで「西洋の怪物」という特集をしています。そこで中心になっている、吸血鬼小説の古典を少し紹介します。
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創元推理文庫でも対になっている二作品。ブラム・ストーカーの作品(1897)は今さら内容について言うことはないでしょうが、すべてが手紙や日記、新聞記事という体裁で綴られているため、盛り上がりに欠けるかもしれません。レ・ファニュの作品(1871)は中編で、小説としてはこちらの方がよくできていると思います。そもそも『吸血鬼ドラキュラ』が書かれる動機になった作品ということからも、古典として扱う理由がありますが、女性が女性の吸血鬼に襲われる筋なので、両者のその後の取り上げられ方に差が出ているかもしれません。
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ここに収録されているジョン・ポリドリの「吸血鬼」(1819)はあの『フランケンシュタイン』と同じ機会に創作されたというエピソードでも有名です。この作品から十九世紀前半の吸血鬼ブームが起きたということで、古典にふさわしいと思います。もっともその吸血鬼は、死体になったのに生き返ったらしいという点以外、結婚詐欺師に近い存在です。
あと一点、現代の作品も取り上げると、店ではキングの『呪われた町』やアン・ライスの『夜明けのバンパイア』も並べていますが、あえて2016年のこちらの作品を紹介します。
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十九世紀半ばのポーランドの田舎で吸血鬼がどんなものだったか、それを説得力を持って描き、さらに巧妙に小説として処理しています。できれば新刊で買って欲しい本です。

吸血鬼

吸血鬼

定休日変更のお知らせ

諸事情により、定休日を日曜祝日から火曜日に変更いたします。10/15から日曜の営業を始め、10/17から火曜日が定休となります。火曜日に来て頂いていたお客様には申し訳ありませんが、平日来られなかったお客様にはご来店頂けるよう、よろしくお願いいたします。

るきさん

文庫のるきさんが入荷。一昨年の17刷なので、単行本『るきさん』『おともだち』の案内のミニ月報が挟まっている。
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これで久しぶりに高野文子の本が増えた。前に『ドミトリーともきんす』を店頭に出したら、次の日には売れてしまい、それ以来在庫は旧版小学館の『ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事』だけだった。開店時には高野文子の旧作を全部揃えていたので、うちでは人気の作家である。

羽良多平吉の装幀

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一度見たら忘れない、宮沢賢治漫画館の装幀。
奥から一巻二巻三巻で、特徴的な一、二巻の装幀は三巻の発売以降は三巻と同じように変えられているようだ。五巻まで発売されている。

店の紹介、最初に目に入るように。

店に入ってすぐ前に置いている店の紹介です。
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古書ノーボのご案内

ようこそいらっしゃいました。当店は古本屋です。古本屋にあまり来られない方へ当店の簡単な紹介をいたします。

置いている本はすべて古本です。したがって在庫は基本一点限りです。
本の値段は挟んだ細長い紙に書いています。百円・二百円均一の本や、一部の絵本は、最後のページなどに鉛筆で書き込んでいます。

保護のため本の中が見えない場合があります。呼んで頂ければ、見られるようにいたします。

買い取りも行っています。一冊からの持ち込みでも歓迎いたします。量が多い場合は出張や郵送でも対応いたしますので、ご相談ください。

そのほか本にまつわる様々なこと、探している本がある、これこれが載っている本はあるか、また本の飾り方や収納、保存などどうぞ気軽にお聞きください。

最後に、店内中央には段差がありますので、特に降りるとき、足元ご注意ください。

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